心臓の働き

心臓は全身に血液を送り出すポンプとしての機能をもっています。心臓の働きを理解して、まずは心臓の働きが悪くなる要因と、それら心電図を理解しましょう。

肺循環(小循環)と体循環(大循環)

肺循環(小循環)

全身から心臓に戻ってきた静脈血を肺に送り、肺で酸素化された動脈血が心臓に戻ってくる循環

体循環(大循環)

酸素が豊富な血液(動脈血)を全身の各臓器へ送り出す循環

心臓の機能血管と栄養血管

心臓における機能血管は心臓のポンプ機能に関わる血管で、栄養血管は心臓の細胞に酸素を送っている血管です。

機能血管
右心房-上大静脈、下大静脈、左心房-肺静脈、右心室-肺動脈、左心室-大動脈

栄養血管 冠動脈(冠状動脈)


心拍出量と循環血液量

心拍出量

 心拍出量(CO : Cardiac Output):心臓が1分間に血液を拍出する量(SV × HR)
  正常値(安静時):4~8 L/min

 1回拍出量(SV : Stroke Volume):心臓が一回に血液を拍出する量(CO / HR)
  正常値(安静時):60~130 mL/beat

 心係数(CI : Cardiac Index):CO ÷ 体表面積(m2
  正常値(安静時):2.5~3.5 mL/min/m2

 1回拍出係数(SI : Stroke Index):SV ÷ 体表面積(m2
  正常値(安静時):30~60 mL/beat/m2

 COはバラツキが大きいため、体表面積で除して補正したCIで評価する事が多いです。

循環血液量

 循環血液量とは血管内に流れている血液量の事です。

 循環血液量は体重の約1/13(7~8%)です。
 例)体重60kgの人は4.2~4.8L位となります。

安静時では、心臓から送り出された血液が再び戻ってくるのは概ね1分間という事です。

心臓の働きが悪くなり、1分間で血液を送れなくなると...こんな症状がでます。

 息切れ、動悸 ⇒ さらに悪化すると... めまい、失神 などの症状が出現します。

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心臓の働きが悪くなる要因

電気の伝導が悪くなる(不整脈)

 徐脈 心臓の脈拍が遅くなる(洞不全症候群、房室ブロック など)
    心臓の脈拍が遅くなるため血液を送り出す量が減少して、
    めまいなどの症状を引き起こします。

 頻脈 心臓の脈拍が速くなる(発作性上室頻拍、心室頻拍 など)
    心臓の脈拍が速くなり、その速度に心臓の動きが追従できなくなり、
    結果、ポンプ機能が低下してめまいなどの症状を引き起こします。

心筋の動きが悪くなる(壁運動低下)

 虚血性心疾患や心筋症などが原因で心筋の動きが悪くなり(壁運動低下)、
 ポンプ機能が低下します。

弁の機能が悪くなる(弁膜症)

 弁の機能が悪くなり血液を送り出す効率が悪くなります。

閉鎖不全症

 弁がしっかり閉じなくなるため逆流が生じ、
 結果、前に送り出される血液と後ろに戻る血液があり、
 ポンプ機能の効率が悪くなります。

狭窄症

 弁が硬くなり開きにくくなるため、血液を送り出す力が沢山必要となり
 結果、血液を送り出す効率が悪くなります。

心臓の働きが悪くなる要因と主な疾患と治療法

心臓の働きが悪くなる心電図

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